間口が狭く奥行きが長い敷地での2回目の計画。
本計画地は、南北に長い敷地であるため、高さ制限の影響を受けにくいが、間口が『No.1』より更に狭いため、内部空間ではよりコンパクトでありつつ広がりが感じられる計画が求められた。
1階：収納・洗面・浴室 2階：リビング・ダイニング・キッチン 3階：寝室と用途が明確な階層計画とし、それぞれの室の繋がりと上下階の繋がりを感じさせる計画としている。
1階では、玄関との床段差をなくし一体的な平面計画とし、玄関と対面する階段は2階への空間の広がりを演出している。また玄関収納・家全体の収納室・洗面・脱衣・裏庭と連続した室構成とすることで、洗濯や着替えという生活動線を短くしている。
2階では、キッチン・冷蔵庫・食器棚・テレビ台等を西側壁面に1列に配置することで大きなワンルームとして広がりを持たせている。中央に設けられた鉄骨階段は、段板をなくし透過性を高くしてワンルームを緩やかに区切る役割を持たせている。
また1列に並んだダウンライトと階段左右の壁を照らす間接照明によってより一体的な空間を感じさせる光の演出を行っている。
キッチンと繋がるサービスバルコニーは、道路側に面するため、壁面を設け内部を見えにくくし、住人を迎え入れる表情を持つバルコニーとして計画している。
本計画では、敷地の特性に逆らわない計画としつつ、内部空間がより一体的になり広がりが感じられる平面・断面計画を創造している。
建設地：東京都大田区
敷地面積：67.28㎡
建築面積：33.05㎡
延床面積：90.05㎡
規模：木造 3F
竣工：2010年9月
Power Photo By Ryota Atarashi