目黒川を望む家

MMP_02目黒川にほぼ隣接した都心の密集地における住宅計画。
敷地の東側と西側が道路という高さ制限が厳しい条件の中、恵まれた環境を最大限に住宅に取り込み、都心の密集地に住みながらも、眺望と風を感じられる空間を計画した。
道路斜線により制限される形態を建築に取り入れ、目黒川に開き、外壁の一部をガラスで構成している。生活の中心となるリビング・ダイニングを3階に配置することで、密集地でありながら、北・東側の柔らかい光と目黒川の環境を取り込んだ開放感のある気持ちの良い住空間となることを意図している。
東側(目黒川側)道路に面した階段室は、コンクリートとガラスによるボックスとして計画し、3階での眺望を確保しつつ、取り入れた光と風を1・2階に柔らかく運ぶ役割も果たし、また夜には柔らかい光の塔として、住人を暖かく迎え入れる役割も果たす。
個室は、1・2階に配置し、落ち着きと安らぎを重視し、また2面開口を設けることで、室内に光と風の流れを呼び込んでいる。
3階に設けられたテラスは、外部空間とリビングをつなぎ、室内に広がりを与え、2階に設けられたテラスは、木ルーバーによって囲われたプライベートテラスとして機能することを意図している。
敷地の周りに存在する都市環境を最大限に取り入れた建築の構成を計画することで、都市の中でも自然を感じることができる気持ちの良い住宅になると考えている。

建設地:東京都目黒区
敷地面積:64.10㎡
建築面積:38.45㎡
延床面積:105.93㎡
規模:RC+木造 3F
竣工:2011年2月

Power Photo By Ryota Atarashi