ISLAND FURNITURE

KSR_01築約80年の住宅の部分改修計画。
長い歴史の中で手直しされ続けた住宅は、続き間のまま内装のみが新しくなり、またその時の必要に応じた増築が施されていた。
続き間の居室には収納を設けることができないため、室内は物で溢れ、購入された家具は窓側に配置されるため室内を更に暗くしている。テレビは必然的に庭に通じるガラス窓の前に配置され、外部とのつながりがなく、暗く風通しの悪い空間となっていた。
上部に仏壇を配置した唯一の収納は脱衣室を狭くして設けられていたため、家事動線が悪いだけでなく場所の機能もはたせない状態であった。
そこで、玄関からリビングへの通路としてしか機能していなかった和室とリビング、キッチンを一体的な空間とするため不要な壁は全て撤去し広がりのある空間とする。
大きくなった空間の中央には、テレビ、仏壇、お茶用の家具、雑誌、新聞、食器類の全てを収納できる高さ125cmの大きな家具を配置した。アイランド状に設けられた中央の家具は、大きな空間を柔らかく間仕切り、間じ切られた空間でそれぞれの機能をはたすことができる。
キッチンとつながる窓側には、食品収納庫、カウンター、デスクを設け、ユーティリティスペースとして機能させている。
リビングは南側の庭とつながり室内の広がりを取り戻し、洗面・脱衣は本来の機能を取り戻しつつ、キッチン側の出入口を設け家事動線を良くしている。
中央に設けられた家具が問題点の全てを解決し、広がりと明るさと通風のよさを取り戻し、それぞれの場所を有効に機能させている。

建設地:東京都世田谷区
計画面積:52.52㎡
規模:木造 2F
竣工:2012年4月

Power Photo By Ryota Atarashi