東京の分譲地に多く見られる間口が狭く奥行きが長い敷地での計画。
本計画地は、東西に長い敷地であるため、北側の敷地境界から発生する斜線制限が敷地全体にかかり高さを確保することが難しい敷地であった。
そこで元からあった敷地の高低差を建築に取り込み多少の高さを確保すること。1階の床レベルを地盤面より下げること。斜線制限に逆らわない屋根形状とすることで、3階建てのボリュームを確保している。
元々敷地がもっているポテンシャルを最大限に活かした、この土地ならではの建物形状として計画している。
2階に位置するリビング・ダイニングは段差と建具によって空間が区切られ、和室として計画したリビングは客間として機能することを意図している。
通常時は、建具を壁面に収納することで一体的な空間となり、またリビングとキッチン部分に設けた間接照明によって光の繋がりを演出し、広がりを感じさせる空間としている。
和室のリビングとつながるバルコニーには、木ルーバーを採用し、近隣からの視線を遮ることとバルコニー部分まで室内空間の雰囲気をつなげることを意図した。
敷地条件の特性を最大限に利用し計画を行うことと、内部空間から連続する外部空間のデザインは、この土地でしか計画できない住宅であり、クライアントの特性を現れた住宅になると考えている。
建設地:東京都目黒区
敷地面積:53.09㎡
建築面積:31.73㎡
延床面積:92.31㎡
規模:木造 3F
竣工:2010年9月
Power Photo By Ryota Atarashi