品川区大崎での6戸の集合住宅計画。
計画地は、前面道路に約2mのみ接道する旗竿地であるため長屋での計画となった。
道路から奥まった敷地の中で、6戸の住宅を長屋としてどのように組み合わせたら、それぞれの住戸が快適な空間となるかを検討した。
また事業性と建設コストから構造は木造が条件であったため、遮音性能を考慮すると3階建て住戸をつなげる方が有利となる。しかしながら限られた敷地の中では、戸数を減らさない限り1戸の間口が狭くなり、かつ階段の面積ばかりが増えることが不利となる。
そこでアプローチからつながる中庭を敷地中央に配置し、それを囲むコの字型の建築として、1-2階の住戸、外階段でアプローチする2-3階の住戸などを複雑に絡ませた計画としている。
中央に中庭を設けることで、各住戸を南面させることができ、風通しを確保することもできる。
重なり合う長屋とすることで、1階と3階はほぼ3つの住戸で構成されるため、それぞれの住戸に広さと豊かさを与えることができた。
6戸の住戸は同じプランが一つもなく、それぞれに特徴をもたせることも可能となっている。
また各住戸には、南面する大きなテラスを計画。隣接するリビング・ダイニングや寝室に光と風を取り込み、それぞれ特徴のある豊かな空間を演出している。
変化のある空間、豊かさを得るための工夫、様々な室構成は、多様な生活スタイルやニーズにこたえられると考えている。
建設地:東京都品川区
敷地面積:225.95㎡
建築面積:126.08㎡
延床面積:349.47㎡
規模:木造 3F
竣工:2014年7月
Power Photo By Ryota Atarashi